ピッチ感

ピッチ感

ミュージシャンにはそれぞれの成長過程において、ぶち当たる壁、越えるべき壁が現れる。
これがほんとに人それぞれ様々だから面白い。
例を挙げようとしても、かるく100個は越えてしまうので今回は割愛させていただくが、最近自分にとって特に大きい壁がピッチ感だ。これがまた奥が深い。
ピッタリ合ったから大丈夫というものではないし、ちょっとのズレから感じる印象で音楽の景色もがらっと変わってくる。
だからこそ、それを聴き分けてコントロールする力が必要になってくる。
少し前の自分にとっての大きい壁が音量感とダイナミクスだった。
これもまた奥が深く、場所が変わればもちろん違うし、相手によっても、お客さんの数によっても、昼か夜かによっても変わってくる。だからこそそれを自分の感覚で見極める必要がでてくる。
タイムに関してももちろん同じだ。
はっきりとした正解なんか無い。自分で見極めて確信ある音を出した時にそれが正解に近くなる。
以前経験した面白いエピソードがある。
ミュージシャンが集まってバーベキューをしながらセッションをしていたんだが、その時の自分の課題がまさに音量だった。
音楽は同時にありとあらゆることをしていくわけだが、この時ばかりは音量だけに焦点を当てて臨もうとした。ソロの内容やフレーズなんてどうでもいい。その他のこともどうでもいい。
そして演奏が始まったらあるミュージシャンが「ギターうるさい」と(笑)
この時ばかりは怒らずにはいられなかった。悪いのは自分なわけだが(笑)
こんなに音量のことだけ気にして臨んでいるのに、何を言いやがる、と。
けど、音楽とはそういうものである。達人は当たり前のようにそれらをやるが、できない人はどんなに注意を払ったつもりでいてもできていなかったり。
今の自分のピッチに対する思いがまさにこれだ。
あ〜、なんとかこの壁を越えたい!!